ウレタン架橋微粒子の塗膜に及ぼす充填効果

概要

論文の詳細を見る
ウレタン架橋微粒子の塗膜に及ぼす充填効果を, 有機微粒子, 無機微粒子との比較, 及びバインダーの種類について調べた。<BR>ウレタン架橋微粒子を二液硬化型ウレタン樹脂に充填すると, アクリル架橋微粒子, 及びガラスバルーンとは明らかに異なり, 未充填のクリヤー塗膜に比較して充填量の増加と共に抗張力, 伸び, 弾性率のいずれも向上する特異な現象を示し, 優れた塗膜への充填効果が認められた。この特異なウレタン架橋微粒子の充填効果を, 相対弾性率の理論式を用いて解析した結果, 佐藤の式として知られる理論式に適合する事が解った。一方, アクリル架橋微粒子では, 佐藤の理論式には適合せず, むしろEilersの理論式に適合し, ガラスバルーンではアクリル架橋微粒子に類似した挙動を示し, 脆い塗膜を生成することが解った。<BR>更に, 上記の微粒子の充填効果について, バインダーの種類を二液硬化型ウレタン樹脂, ウレタンディスバージョン, 及びアクリルラッカーと変えて調べた結果, ウレタン架橋微粒子は何れのバインダーに於いても他の微粒子に比べて優れた充填硬化を示す事が解った。
Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文