速硬化型ウレタン材料による機械施工:建材分野向け吹付けシステム
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概要
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日本において建材分野向けのウレタンエラストマーは鏝塗りタイプの材料が床材, 防水材として使用されているが, 最近機械を用いた速硬化型の吹き付けシステムが開発された。開発理由は, 熟練技能者の不足と工期短縮に伴う硬化の速い材料の要求によると考えられる。<BR>システム設計としては, 2液の低粘度材料によるウレタンーウレア系で架橋剤として特定の芳香族ジアミン類を使用するものが多く, 高圧マシンに衝突混合型のガンを取り付けて成形するものである。反応性は, タックフリータイムが10~20秒, ゴム弾性の発現に数分程度であり, 30分経過すれば床材として実用強度が発現する。特徴は, (1) 100%樹脂の無溶剤系, (2) 雰囲気湿度に対して製品密度が一定, (3) 機械物性は良好, 更に連続積層及び厚塗が可能等, 従来からの塗料的な吹き付け材とは異なる新規システムである。<BR>実際の応用例としては, 平面と斜面ないし垂直面を同時に施工出来るため応用範囲が広く, 原発のドーム屋根, 遊園地の床, 集合住宅の共用廊下, プールの防水層, 法面の落石防止等である。今回は材料処方, 設計のポイント及び機械システムに関し説明する。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文