溶液中での光橋かけ反応による三次元網目ポリマーの生成
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概要
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メタクリル酸メチル側鎖に桂皮酸エチルメタクリラート (CEMA) を導入したポリマーのTHF溶液を30℃で光照射し, 三次元網目形成過程での分子内及び分子間橋かけ反応の寄与を光散乱測定による分子量, ポリマー鎖の広がり, そして第2ビリアル係数の変化を含めて検討した。CEMA密度や一次ポリマー鎖長の増加或いは溶液濃度が薄くなるほど分子間橋かけ反応と競合する分子内橋かけ反応の影響を強くうけて, 分子内架橋点の多い不均一性ミクロゲルを生成し易く, 逆にCEMA密度が少なくなると見かけ上均一なマクロゲルを生成し, 特にCEMA10mol%前後では, ミクロゲルを経てマクロゲルへと変化する様相が明らかとなった。分子内橋かけによるポリマー鎖の収縮は, 反応初期に顕著であり, 三次元網目形成点では, 同一分子量の線状ポリマーの体積の1/10~1/350までも変化し, 第2ビリアル係数もほぼ零となった。溶液系の光橋かけ反応では, 分子内橋かけ反応の進行とともに分子間相互侵入が抑制され, 分子間架橋点の少ない, 分子内高密度の三次元網目ポリマーを生成することを明らかにした。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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