東日本大震災でのVTE 予防における日本静脈学会の役割
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概要
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要約:東日本大震災において,日本静脈学会理事会および弾性ストッキング・コンダクター養成委員会は,避難所における静脈血栓塞栓症(VTE)予防に積極的に関与した.震災1 週間の時点で,同委員会の働きかけで,多数の弾性ストッキングが被災地に発送された.さらに,日本静脈学会理事長名で避難所におけるVTE 予防の声明を出し,VTE予防のパンフレットをメールを通じて配布し,福島県からの要請に基づいてVTE 検診のため技師を派遣した.問題点として,被災地では使用しにくい大腿部までのストッキングも配送されたこと,被災地での弾性ストッキングコンダクターが少なく,長期使用の管理ができなかったことが挙げられる.静脈学会は分野を越えた人脈と知識を有し,VTE予防に関して被災地の医療機関の物心両面の支援が可能であった.今後このような災害時には,ただちに関係学会で連絡をとりあい,被災地のニーズに基づき,会員からの協力を募ることが重要である.
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