日本人女性と比較した中国人女性の皮膚表面特性と意識調査に関する研究
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概要
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中国市場での化粧品の消費の拡大が期待される中,ニーズに合った化粧品を提供するためにも中国人女性の皮膚特性や意識について調査することは重要であると考える。本研究では中国の代表的な都市である北京と上海で調査を行い,中国人女性と日本人女性の皮膚表面特性 (目尻のシワ,頬のキメ,角層状態) と肌に対する意識の違いを明らかにすることを目的とした。皮膚表面特性については北京,上海,東京の3地域で比較した。目尻のシワの状態は年代が上がるにつれ地域差が認められ,目視評価と機器評価の両方の結果から50代以上では上海女性は北京女性に比べ有意にシワが深くなることが示唆された。キメの状態では上海女性は北京女性および東京女性に比べ有意にキメが細かく明瞭であることが示唆された。角層の状態は,上海女性および北京女性は東京女性に比べて頬と腕ともに重層剥離量が少なく,核が多く存在することが認められ,中国人女性と日本人女性では角層状態に違いがみられた。肌に対する意識調査では中国人女性と日本人女性を国ごとに比較し,さらに中国人女性を北京女性と上海女性に分けて比較をした。中国人女性は日本人女性に比べべたつきを感じにくく,乾燥を感じやすい傾向にあり,アトピー性皮膚炎の自覚は少なく,目元の小ジワの悩みが高いことが示された。さらに,北京女性は上海女性に比べて乾燥を感じやすい傾向にあったが,その他の項目ではほとんど違いが認められなかった。
- 日本化粧品技術者会の論文
著者
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桜井 哲人
株式会社ファンケル中央研究所
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炭田 康史
株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所
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繁田 葉子
株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所
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加賀美 真弓
株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所
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桜井 哲人
株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所