二次受診向上のための取り組み -受診勧奨案内システムの見直し前後の比較検討と今後の課題-
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概要
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目的:当施設では二次受診向上に向け,2008年度から要治療・要精密検査と判定された受診者に勧奨案内用紙を送付している.さらに2010年度より勧奨案内システムの一部を見直した.この新システムの有効性を検討する.対象:2009年4月~2011年3月の間に勧奨案内送付の対象となった受診者.方法:旧勧奨案内システムと新勧奨案内システムの38検査項目のうち22検査項目について検査項目別に送付数,返信数,返信率を算出し比較する.新勧奨案内システムの概要:結果報告書に添付した勧奨案内用紙未返信者に対し,2ヵ月後に勧奨案内用紙を再送付する.結果:新勧奨案内システムでは,すべての検査項目で返信率の上昇を認めた.胸部CT検査(変化量:+22.7),乳腺X線検査(+20.1),子宮細胞診検査(+18.1)であった.生活習慣病関連検査では,糖尿病検査(+9.1),腎機能・尿酸検査(+7.6)であり,統計学的解析でも有意差が認められた.生活習慣病関連検査および婦人科関連検査での返信率の上昇は際立っていた.結論:1回目の勧奨案内未返信者に対し,2ヵ月後に再勧奨をすることは有効であった.健康意識の男女差も念頭に置き,適切な時期における受診勧奨を,疾患や検査に関する情報提供とともに行うことがさらなる受診率向上のための足掛かりになると考える.
著者
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石井 敏勤
社会医療法人財団石心会 アルファメディッククリニック
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遠藤 芙美
社会医療法人財団石心会 アルファメディッククリニック
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笹子 裕子
社会医療法人財団石心会 アルファメディッククリニック
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松本 智美
社会医療法人財団石心会 アルファメディッククリニック
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野崎 浩二
社会医療法人財団石心会 アルファメディッククリニック
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塚田 一義
社会医療法人財団石心会 アルファメディッククリニック