BMI・腹囲径およびメタボリックシンドロームと消化器疾患の相関について -逆流性食道炎,食道裂孔ヘルニア,胆石,脂肪肝の4疾患での横断的検討-
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概要
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目的:メタボリックシンドローム(MS)は肥満,高血圧,脂質代謝異常,高血糖が複数合併する状態である.多数の研究により,MSが動脈硬化性疾患やその他多岐に及ぶ疾患発症に寄与することが示されている.本研究では,Body Mass Index(BMI)・腹囲径およびMSと,肥満に関連があるとされる消化器4疾患の相関を評価した.方法:2007年度1年間に当健診センターの人間ドックを受診した男性2,068名,女性1,305名を対象とした.逆流性食道炎(RE)と食道裂孔ヘルニア(EHH)は胃内視鏡検査により,胆石(GS)と脂肪肝(FL)は腹部超音波検査により診断した.MSの診断には腹囲径高値を必須とするか否かで異なる2つの基準を用いた.受診結果をもとに,BMI・腹囲径およびMSと上記消化器4疾患(RE,EHH,GS,FL)の各有所見率の相関を分析した.結果:男女ともにBMIはGSとFLの有所見率と,腹囲径はFLの有所見率と相関を示した.さらに,男性のみに腹囲径はREとEHHの有所見率と相関を示した.MSは2つの診断基準ともにFLの有所見率ならびに重症度と強い相関を示した.結論:BMIはGSとFL,腹囲径はRE,EHHとFLの各独立した発病予測因子となり,MSはFLの重症度予測因子となる可能性が示唆された.BMI・腹囲径高値者に対する消化器疾患の早期発見・早期介入や,MSにFLを合併する者へのMSの厳重な管理が重要と考えられた.
- Japan Society of Ningen Dockの論文
著者
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曽山 ゆかり
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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山田 亮詞
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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西川 晋史
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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岡村 朋子
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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真田 牧子
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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坂口 玲子
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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伊東 香代
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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松田 武史
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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木長 健
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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三浦 正樹
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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山本 正之
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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西川 晋史
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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坂口 玲子
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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三浦 正樹
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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山本 正之
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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真田 牧子
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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岡村 朋子
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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松田 武史
医療法人社団神鋼会 神鋼病院健診センター
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