日本総合健診医学会 第41回大会・シンポジウム3 性差から見た総合健診性差から見た健診の問題点
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概要
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千葉県は、平成15年度から、協力市町村において「健康診査データ収集システム確立事業」を行った。平成14年度から18年度にわたる5年間のデータ数は22市町村366,862件(男性111,877件、女性254,985件)であった。健診結果を概略する。 (1) BMI:男性では、40~49歳の24前後をピークに、その後徐々に減少する。女性では、40歳(21~22)から徐々に上昇し、70歳代で男性に追い付き、追い越す。 (2) T-chol、TG(隋時)、HDL-Chol:T-chol、TGは男性では40~49歳をピークに(T-chol200mg/dL前後、TG 180mg/dL強)徐々に減少し、TGは70歳代になると女性とほぼ同じになる。女性では、T-cholは35歳から徐々に上昇し、50歳代に男性を凌駕し以後男性に比し高値を保つ。TGは、年齢とともに徐々に上昇し70歳代では男性に追い付く。しかし男性の 180mg/dL強に対し、女性では49歳以下のTGの平均値は 100mg/dLを割っている。HDL-Cholは男性ではどの年齢区分でも、55mg/dL前後である。女性では、HDL-Cholは年齢とともに徐々に減少するものの、65歳以上でも 60mg/dLをキープしている。 (3) γ-GTP, GPT:男性では、GPT・γ-GTPは、40歳~49歳の各々 30U/L前後、55U/L前後をピークとして、徐々に減少する。一方、女性では年齢とともに上昇するが、全年齢層でGPT は 20U/L以下、γ-GTPは 20U/L前後である。 (4) 収縮期血圧(SBP)・血糖値(BS):SBP・BSは男女とも年齢が上昇するとともに上昇するが、男性では、SBP平均値が至適血圧(120mmHg)を35歳以上で、正常血圧(130mmHg)を55歳以上で上回るのに対して、女性では、至適血圧(120mmHg)は50歳以上で、正常血圧(130mmHg)は65歳以上で上回る。 性差・年齢差を念頭に置いた健診制度と個別保健指導が健診受診率ならびに保健指導効果の向上のためには、必要である。