日本総合健診医学会 第41回大会・日本臨床栄養学会共同シンポジウム健康づくり戦略─健診等の受診率の向上と保健指導のスキルアップ
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概要
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健康づくりが成功するかの鍵は、健診や保健指導等の受診率の向上と保健指導のスキルアップが握っています。この2つの課題に共通のビジョンは、健康であることの価値観を高めて健康づくりのモチベーションを向上させることであります。そのためには、人々の健診等の意義や必要性の理解が必要であり、一方では、より健康的な生活習慣へ変容した場合の精神的・経済的メリットを身近な問題と関連させて、マスメディアを媒体とした情報提供が必要であります。また、事業主においては、「従業員が健康である」ことの価値観をもち、それによる経営上のメリットを認識した上で、健康づくりの仕組みを構築することが急務であります。 一方、保健指導の目的は、健康づくりのための自己管理を支援することでありますが、良い生活習慣を実践していない人の70%は無関心期・関心期にあります。このような行動変容ステージにある人々は、特定保健指導6ケ月後に体重が減少する頻度が低いことが判りました。従って、行動変容を起こさせるためには、これらのステージにある人への動機付けが不可欠であります。次に、保健指導を効果的にするには、身体側からの栄養アセスメントが必要です。これは1次・2次予防ひいては健康寿命の延伸にも効果が期待され、一方では個々人の健康阻害要因を明らかにすることによって、その因子を中心にした自己管理を可能にします。 最後に健康づくりに携わるいろいろの分野の人たちが連携して課題に取り組む姿勢が健康づくり戦略に必要だと思います。