遺伝子変異の特定にいたった先天性アンチトロンビン欠損症の1家系
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概要
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発端者は,20歳,男性.左下腿腫張および左下腿痛を訴え来院.血管エコーを行い左総腸骨静脈から浅大腿静脈にかけ深部静脈血栓症(deep venous thrombosis;DVT) を認めた.核磁気共鳴静脈造影検査でも同様の所見であった.家族歴では,父方の家系にDVTが多くみられており,先天性血栓性素因を疑い精査行ったところ,アンチトロンビン抗原量,活性値ともに低下を認めた.本人,父および兄弟のアンチトロンビン遺伝子診断を行った.アンチトロンビン遺伝子のエクソン4に正常型GAAのうちヌクレオチド・ポジション7,641番Aの1塩基欠失をダイレクトシークエンス上ヘテロで認めた.この変異によりframeshiftをきたし314番目のコドンがterminationとなっていた.父,兄も同様の遺伝子異常が認められた.以上より先天性アンチトロンビン欠損症(タイプⅠ) と診断した.
- Japan Heart Foundationの論文
著者
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臼井 健
京都医療センター 内分泌代謝センター
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小川 尚
京都医療センター循環器科
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中島 康代
京都医療センター循環器科
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竹中 淑夏
京都医療センター循環器科
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鵜木 崇
京都医療センター循環器科
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石井 充
京都医療センター循環器科
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益永 信豊
京都医療センター循環器科
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舩津 順子
京都医療センター循環器科
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金崎 幹彦
京都医療センター循環器科
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中野 為夫
京都医療センター循環器科
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阿部 充
京都医療センター循環器科
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赤尾 昌治
京都医療センター循環器科
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臼井 健
京都医療センター臨床研究センター
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