右冠動脈左冠尖起始異常で経皮的冠動脈インターベンションに難渋した急性下壁心筋梗塞の1例
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概要
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症例は, 82歳, 男性. 胸痛を訴え当院へ救急搬送された. 12誘導心電図でII, III, aVF誘導でのST上昇と完全房室ブロックを認め, 急性下壁心筋梗塞と診断した. 緊急冠動脈造影を施行し, 左冠動脈造影にて右冠動脈に向かう良好な側副血行を認めたものの, 右冠動脈はJudkins right 4.0にて造影できなかった. そこでカテーテルをshort amplatz left 1.0に変更したところ, 左冠動脈の前方より起始する右冠動脈の造影に成功し, 右冠動脈左冠尖起始異常と診断した. #2 100%病変を確認し, ガイディングカテーテルに6Fr short amplatz left 1.0を使用して経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI)を行うも良好なバックアップが確保できず, ガイドワイヤーやバルーンカテーテルの通過に難渋した. なんとかバルーン拡張を行い, 拡張後はthrombolysis in myocardial infarction grade IIIの血流が確保できた. ガイディングカテーテルのバックアップが十分でないためステント留置に難渋する可能性が高いと判断し, 手技をいったん終了とした. 後日, ステント留置を行うために冠動脈造影を施行した. ガイディングカテーテルにAmplatz left 1.0を選択したところ良好なバックアップが確保でき, 比較的スムーズにステント留置が可能であった.<BR>右冠動脈左冠尖起始異常でガイディングカテーテルのバックアップが得られず治療に難渋したが, Amplatz left 1.0を使用することで十分なバックアップを確保し, 良好な初期成績が得られた急性下壁心筋梗塞の1例を経験した.
- Japan Heart Foundationの論文
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