本態性血小板血症を合併した急性心筋梗塞の2症例
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概要
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症例1は, 52歳, 女性. 既往症なく, 明らかな冠危険因子を認めていなかったが, 2005年11月, 胸痛を主訴に来院した. 心電図でII, III, aVF誘導にST上昇を認め, 緊急冠動脈造影を施行したところ, 右冠動脈近位部に血栓と思われる90%狭窄を認めた. 急性心筋梗塞(acute myocardial infarction; AMI)の診断にて冠動脈インターベンションを施行し, 病変部にステントを留置した. 入院時血小板数66.6万/µLであったが, 退院後外来にて80万/µLまで上昇し, 骨髄生検にて本態性血小板血症(essential thrombocythemia; ET)と診断された.<BR>症例2は, 29歳, 男性. 検診にて血小板数増加と低HDL血症を指摘されていたが放置していた. 2009年8月, 胸痛を主訴に救急受診し, 心電図II, III, aVF誘導にST上昇を認めたため, 緊急冠動脈造影を施行した. 右冠動脈近位部に血栓と思われる99%狭窄を認め, 症例1と同様にAMIの診断でステントを留置した. 入院時血小板数が103.3万/µLであり, 退院後の骨髄生検でETと診断された.<BR>比較的稀とされているETに, AMIを合併した2例を経験した. 両者ともステント治療を施したが, ETに合併したAMIの治療方針や, ステント留置した場合の抗血小板薬使用方法について, 文献的考察を加え報告する.
著者
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藤縄 学
常仁会牛久愛和総合病院内科
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飯野 均
常仁会牛久愛和総合病院内科
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阿部 正宏
常仁会牛久愛和総合病院内科
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山崎 明
常仁会牛久愛和総合病院循環器内科
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栗原 正人
常仁会牛久愛和総合病院内科
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瀬口 雅人
常仁会牛久愛和総合病院内科