アナフィラキシー症状を呈した豆乳による口腔アレルギー症候群の一例
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概要
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56歳,男性。豆乳摂取後に口腔アレルギー症候群,アナフィラキシー症状を呈し救急搬送された。血清特異的IgE検査でシラカンバ花粉がクラス3,大豆はクラス2であった。prick-to-prick testにて豆乳,豆腐で陽性,またシラカンバの主要抗原であるBet v1が陽性,そのホモログである大豆の主要抗原Glym4が陽性であり,これらの交差反応により発症した豆乳による口腔アレルギー症候群 (oral allergy syndrome; OAS) であると示唆された。豆乳アレルギーの本邦での報告例は全例が花粉症を有しており,豆腐の摂取でアレルギーの既往がない例が多い。また大豆特異的IgE陽性率が低く,診断にはprick-to-prick testが有用である。花粉症の近年の花粉症の増加,健康ブームにより豆乳による口腔アレルギー症候群は今後増加することが予想され,耳鼻咽喉科領域の症状を呈することも多く,注意が必要である。