くも膜下モルヒネに高用量のブピバカインを併用し良好な鎮痛が得られた2 症例
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概要
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オピオイドの全身投与で十分な鎮痛が得られなかった2 例のがん性痛患者に対して,くも膜下モルヒネに高用量のブピバカインを併用し良好な鎮痛を得たので報告する.症例1:72 歳の男性で,肺がんの腸腰筋・大腿筋群転移による下肢の痛みに対し,くも膜下鎮痛法を施行した.モルヒネ単独で十分な鎮痛が得られずブピバカインを最大94 mg/日で併用し,痛みはverbal rating scale で4 から1~2 へ軽減した.症例2:64 歳の女性で,直腸がんの皮膚転移による陰部,大腿の痛みに対し,くも膜下鎮痛法を施行した.モルヒネ単独で十分な鎮痛が得られずブピバカインを最大66 mg/日で併用した.レスキュードーズ使用時に下肢のしびれ,低血圧を認めたが,レスキュードーズの調整で軽減し,痛みはnumerical rating scale で10 から2~5 へ軽減した.くも膜下モルヒネの効果が不十分ながん性痛の患者において,ブピバカインを加え,副作用や合併症に注意しながら高用量まで漸増することで,患者満足度の高い優れた鎮痛が得られた.
- 一般社団法人 日本ペインクリニック学会の論文
著者
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齊藤 理
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
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三浦 耕資
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
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周東 千緒
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
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工藤 尚子
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
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村上 敏史
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
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的場 元弘
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
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的場 元弘
国立がん研究センター中央病院緩和医療科
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齊藤 理
国立がん研究センター中央病院緩和医療科
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村上 敏史
国立がん研究センター中央病院緩和医療科
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周東 千緒
国立がん研究センター中央病院緩和医療科
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三浦 耕資
国立がん研究センター中央病院緩和医療科
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