小腸狭窄に併発した真性腸石をダブルバルーン小腸内視鏡で破砕しえた1例
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概要
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症例は73歳の男性で,30歳代に開腹手術を受けて以来,腸閉塞を繰り返している.腹痛を主訴に来院し,腹部CTで小腸に40mm大の腫瘤像を認め,サブイレウスと診断され入院精査となった.受診の約半年前に肝機能異常が指摘されウルソデオキシコール酸を内服し経過観察中であった.この時に施行した腹部CTでは小腸に異常を認めていなかった.ダブルバルーン小腸内視鏡で,Bauhin弁から約150cmの部位にびらんを伴う輪状狭窄がありその口側に40mm大の腸石を認めた.スネアなどを用い破砕した.回収した結石分析より胆汁酸を主成分とする真性腸石と診断した.内視鏡治療によって外科的治療を回避しえた腸石の症例は稀であり,文献的考察を加え報告する.