下咽頭梨状陥凹背側に生じた異所性副甲状腺腫の1例
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概要
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症例は57歳の女性で,脳梗塞加療中に原発性副甲状腺機能亢進症が判明した。超音波検査では局在診断がつかず,99mTc-MIBIシンチグラフィで喉頭右側に集積を認めた。頸胸部造影CTにて下咽頭右梨状陥凹の背側に,動脈相で強く一様に造影される1.5cmの扁平な腫瘤を認めた。平成20年12月某日に摘出術を施行,腫瘤は下咽頭収縮筋の外側に存在していた。腫瘤の重量は512mgで,病理診断は副甲状腺腺腫であった。術後,Caおよびintact-PTHはいずれも正常化し,以後再発を認めていない。第IV咽頭囊由来の副甲状腺組織が発生過程で下咽頭背側にとどまり,その副甲状腺組織から腺腫が生じたものと考えられた。