ビキサロマー内服中に腸管穿孔を起こした維持透析患者の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ビキサロマー内服中の血液透析患者に腸管穿孔を発症し, 救命しえた1例を経験した. 症例は75歳, 男性. 血清P値のコントロールが不良であり, 入院3か月前よりビキサロマー3,000mg/日を内服していた. 入院同日に突然の下腹部痛が出現し, 当院受診. 画像検査で腸管穿孔と診断され, 同日緊急手術が施行された. 術後もエンドトキシン吸着 (polymyxin B-immobilized fiber column-direct hemoperfusion : PMX-DHP), 持続血液濾過透析 (continuous hemodiafiltration : CHDF) などの集学的治療を行い, 一命を取りとめた. ビキサロマーは, ほかのP吸着薬と比較し便秘や腹部膨満などの消化器症状が出現しにくいP吸着薬である. 今までにビキサロマー内服中の透析患者に腸管穿孔をきたした報告はないが, ビキサロマーの副作用である便秘も腸管穿孔を発症するリスクになり得ると考えられた.
- 一般社団法人 日本透析医学会の論文