Linezolid投与における腎機能と血小板減少の関連性の検討
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概要
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Linezolid(LZD)において,副作用である血小板減少症の発現頻度が高くなる傾向として,14日を超えて投与した場合とされている. しかし腎機能障害患者についても血小板減少が見られる傾向にあったため,当院において,2006年10月~2010年7月でLZD投与患者30例について腎機能障害と血小板減少との関連性を検討した. 結果として,クレアチニンクリアランス(Ccr)が低い患者ほど,血小板減少率が大きくなる傾向にあった.また,Ccr 60 mL/min以下の患者において投与終了後における血小板数の回復までの日数も,Ccrが低い患者ほど長くなる可能性が考えられた. 腎機能障害患者に対して,linezolidを常用量投与する場合,血小板減少が発現する可能性があり,またその回復も遅れる傾向にあるため,慎重に投与すべきであると考えられる.
- 一般社団法人 日本環境感染学会の論文