当院における血液培養検査推進活動とその成果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
感染症診療の質を向上させる目的で,当院において血液培養検査推進活動を行った.その成果を評価するために,2009年度から2011年度の3年間の入院患者を対象として血液培養実施状況,血液培養陽性率,コンタミネーション率,血液培養検出菌について調査を行った.その結果,3年間で血液培養検査件数は1404件,1631件,1833件と増加した.1000患者日あたり年間採取セット数は9.2セット,11.4セット,13.3セットと増加した.成人の2セット以上採取率は52.0%,56.5%,87.4%と上昇した.コンタミネーション率は4.1%,3.4%,2.4%と低下した.検出菌では腸内細菌の分離率は21.8%,28.5%,33.9%と上昇し,感染症診断の向上につながった.2セット以上採取率の顕著な上昇は感染制御チームによる啓蒙活動によって,現場の医療者に2セット以上採取の重要性が周知されたためと考えられた.またコンタミネーション率の低下の理由として,検体採取講習会の実施,検体採取マニュアルの作成および電子カルテ端末上への公開などの成果があらわれたことが考えられる.
- 一般社団法人 日本環境感染学会の論文
著者
-
深沢 貴志
恩賜財団済生会横浜市南部病院薬剤部
-
宮沢 直幹
恩賜財団済生会横浜市南部病院 呼吸器内科
-
甲斐 純夫
恩賜財団済生会横浜市南部病院 小児科
-
窪田 徹
恩賜財団済生会横浜市南部病院 外科
-
神谷 あかね
恩賜財団済生会横浜市南部病院 中央検査部
-
牧野 朱未
恩賜財団済生会横浜市南部病院 中央検査部
-
高橋 幸子
恩賜財団済生会横浜市南部病院 看護部
-
金子 美玲
恩賜財団済生会横浜市南部病院 薬剤部
-
深沢 貴志
恩賜財団済生会横浜市南部病院 薬剤部
関連論文
- P-602 患者の求める医療に関する調査・研究 : 地域医療における院外処方せん発行の問題点と患者ニーズ(17.在宅医療・医薬分業,"薬剤師がつくる薬物治療"-薬・薬・学の連携-)
- 当院における血液培養検査推進活動とその成果
- 日-8-O26-08 副作用情報に対する取り組みと実態調査 : 電子カルテの薬剤禁忌情報登録システムを利用して(有害事象・副作用1,一般演題(口頭)26,再興、再考、創ろう最高の医療の未来)