新規アシルホモセリンラクトンクオラムセンシングシグナル
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概要
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細菌はオートインデューサーと呼ばれるシグナル分子を産生することで,菌密度に依存して様々な遺伝子の発現を制御することが知られている。この生理現象は,クオラムセンシングと呼ばれており,多くの常在菌や病原性細菌において発見されている。オートインデューサーの中でも,アシルホモセリンラクトン(AHL)型がヒト病原性細菌の緑膿菌を筆頭に最も研究が進められている。AHL型オートインデューサーは,ホモセリンラクトン骨格に直鎖型の脂肪酸側鎖が結合したものである。シグナルの特異性やバリエーションは側鎖となる直鎖脂肪酸の種類によって決定されるが,その種類は30種類程度と,AHL産生菌の総数に比べて圧倒的に少ない。しかしながら,近年,側鎖が直鎖脂肪酸ではない新しいタイプのAHL分子が相次いで報告された。これは,AHL産生菌の多様性を説明することができると同時に,クオラムセンシング研究を拡張する革新的な発見である。本稿では,この新規AHLサブタイプとそのユニークな特性について紹介する。
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