奄美大島・加計呂麻島におけるシガテラ原因魚の毒組成解析
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概要
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2008年に鹿児島県奄美群島で発生した魚類摂食に起因する食中毒シガテラの3事例について,原因魚3試料および同時に漁獲された近海魚5種7試料のLC-MS/MSによるシガトキシン類(CTXs)一斉分析の検討を行った.食中毒の原因となったイッテンフエダイ2試料およびバラハタ1試料のすべてからCTX1B,54-deoxyCTX1B,52-epi-54-deoxyCTX1Bが検出されたが,CTX3C類縁体は認められなかった.これら2魚種のCTXs組成比は,それぞれ沖縄海域の両種における組成と共通していた.一方,宮崎県での食中毒原因試料はCTX3C類縁体が主要毒であり,毒組成の違いが示された.また,LC-MS/MSで測定した毒量はマウス毒性試験(MBA)結果(0.1~0.8 MU/g)と同程度であったが,比毒性が明確でない54-deoxyCTX1Bによる総毒力への影響も推察された.一方,MBAで陰性(<0.025 MU/g)を示した近海魚1試料からも微量のCTXsが検出された.
著者
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松尾 敏明
加計呂麻徳洲会診療所
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佐久川 さつき
沖縄県衛生環境研究所
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松田 聖子
沖縄県衛生環境研究所
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大城 直雅
国立医薬品食品衛生研究所
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安元 健
財団法人日本食品分析センター
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與儀 健太郎
琉球大学医学部保健学科
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