重症ループス腎炎におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性—投与開始から5年のフォローアップ—
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概要
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小児期発症重症ループス腎炎にミコフェノール酸モフェチル(MMF)を投与し5年間有効性と安全性を観察した。2004年4月から2009年3月のループス腎炎初発例で腎生検にてWHO分類III(A)~IV(A)型と診断した10例にステロイドパルス療法を6または9回施行,終了後プレドニゾロンとMMFを開始した。MMFは1 g/m2/日で2年間投与後漸減中止した。パラメータとして血清補体価,尿蛋白クレアチニン比,尿素窒素,血清クレアチニン,血清アルブミン,抗二重鎖DNA抗体,経口ステロイド投与量を用いた。治療開始2年でパラメータは全て有意に改善し,2年後と最終検査時では悪化はなかった。10例中8例でMMFを中止し3例で再燃,2例は腎炎再燃,1例は臨床的再燃であった。2例はMMF減量中に血清学的再燃を呈した。再燃した5例中4例で怠薬があった。治療開始2年後MMF副作用はみられなかった。MMFは重症ループス腎炎の治療で有効かつ安全であり,さらに中止できる可能性が示唆された。
- The Japanese Society for Pediatric Nephrologyの論文
著者
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吉村 仁志
沖縄県立南部医療センター
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喜瀬 智郎
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター
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吉村 仁志
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター
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譜久山 滋
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター
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上原 正嗣
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター
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