アフラトキシン生産カビは8種類のアフラトキシン(アフラトキシン B1, B2, G1, G2, M1, M2, GM1, GM2)を生産する能力を持つ
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概要
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アフラトキシン(AF)生産カビはメジャーAF として AFB1,AFB2,AFG1,AFG2 を生産するが,加えて,これらが水酸化された構造を有するマイナーAF,つまりAFM1,AFM2,AFGM1,AFGM2 のいずれか一つ,または複数を,僅かに生産するものがいることが報告されてきている.メジャーAF の生合成経路はほとんど解明されているが,マイナーAF の生合成経路については不明であった.著者らは,近年,カビ代謝産物 aspertoxin が AFM1 及び AFGM1 の前駆体であること,aspertoxin は,AFB1 及び AFG1 の前駆体 OMST から,OrdA 酵素によって生じることを明らかにした.一方,AFM1 は, AFB1 からは生産されなかった.以上のことから,AF 生産カビは8種類すべての AF を生産する潜在能力を有すること,マイナーAF はメジャーAF 生合成経路から分岐して生じること,さらに,OrdA 酵素が AF の最終的な運命を決定するキー酵素であることが明らかとなった.これによって,カビの AFM1 生産機構は,動物乳汁中に検出される AFM1 のそれとは異なることが証明された.
著者
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