P3-04 コラーゲン誘導関節炎におけるインターフェロン調節因子5(IRF5)の作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
インターフェロン調節因子5(Interferon Regulatory Factor 5,IRF5)は転写因子であり,遺伝子多型がSLEをはじめとする多くの自己免疫疾患の発症と関連しており注目されている.ループスモデルではIRF5は発症に必須な因子であることを報告したが,関節炎モデルにおける作用は明らかにされていない.今回コラーゲン誘導関節炎(CIA)におけるIRF5の作用について検討した.IRF5の欠損,ヘテロ,および野生型のマウスにCIAを誘導したところ,欠損マウスは野生型と同程度の関節炎を発症したが,ヘテロマウスでは発症率,重症度ともに有意に低下した.欠損マウスでは抗II型コラーゲン抗体価はIgG2aクラスで低下していたが,脾細胞のIL17産生は亢進していた.以上よりIRF5は関節炎の促進と抑制の両面の作用があると考えられた.IRF5の発現を抑制するsiRNAはin vitroではマクロファージのCpG刺激によるサイトカイン産生を抑制した.CIAの経過中にこのsiRNAを投与したところ,非特異的なデリバリーでは関節炎の軽快が認められたが,抗原提示細胞特異的なデリバリーでは逆に関節炎の増悪が認められた.以上よりCIAモデルにおいて,IRF5は抗原提示細胞では抗炎症的な作用が主で,それ以外の細胞,組織では主に炎症の促進に働いていると考えられた.
著者
-
末松 梨絵
佐賀大学医学部膠原病リウマチ内科
-
大田 明英
佐賀大学医学部看護学科 成人・老年看護学講座 慢性期看護学分野
-
多田 芳史
佐賀大学医学部 膠原病・リウマチ内科
-
小荒田 秀一
佐賀大学医学部 膠原病・リウマチ内科
-
貞永 裕梨
佐賀大学医学部 膠原病・リウマチ内科
-
永尾 奈津美
佐賀大学医学部 膠原病・リウマチ内科
-
田代 知子
佐賀大学医学部 膠原病・リウマチ内科
-
大田 明英
佐賀大学医学部 看護学科
関連論文
- 目でみる症例 Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema (RS3PE)症候群
- 多彩な症状を呈しイヌ回虫幼虫移行症が疑われた1例
- サルコイドーシスとの関連が示唆された Mycobacterium nonchromogenicum 皮膚感染症の1例
- 血液透析患者におけるストレスの認知に関する研究
- インフルエンザ・ワクチン接種後に顕微鏡的多発血管炎と側頭動脈炎を合併した稀な一例
- 自己抗体産生RP105陰性B細胞上に発現する B-cell maturation antigen は, 全身性エリテマトーデスの治療標的となりうるか
- P3-04 コラーゲン誘導関節炎におけるインターフェロン調節因子5(IRF5)の作用
- 全身性エリテマトーデス発症に関連する食事因子 : 栄養素等摂取状況および食品群別摂取量について