大規模・高精度相対論的量子化学計算手法の開発:元素戦略の理論基盤確立を目指して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿では,大規模な重元素化合物を高効率・高精度に計算するための理論を取り上げる.まず相対論的量子化学の現状を概観し,それを踏まえて目的を遂行するためにどの部分を考察しなければならないのかを述べたい.次にこれらの問題点を解決すべく,著者らが開発した高効率・高精度な2成分相対論計算手法,無限次Douglas-Kroll-Hess変換に基づく局所ユニタリー変換法の理論について解説し,数値検証を行うことで有用性を示す.さらに本手法を分割統治法へと拡張することにより,計算全体の線形スケーリングを達成する手法となることを示す.本手法に基づけば,非相対論と同等の計算コストで (スピン非依存の) 4成分相対論と同程度の精度を与えることができるため,従来の非相対論的なSchrödinger方程式から相対論的なDirac方程式へのパラダイムシフトが可能となる.
著者
-
中井 浩巳
早稲田大学 理工学術院
-
清野 淳司
早稲田大学先進理工学部化学・生命化学科,〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
-
中井 浩巳
早稲田大学先進理工学部化学・生命化学科,〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
-
中井 浩巳
早稲田大学 先進理工学部 化学・生命化学科,〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
関連論文
- メソ物質設計のための線形スケーリング量子化学計算
- 表面-分子相互作用系の量子化学計算に関する最近の動向
- アンモニアクラスターイオンの安定性と核生成速度との関係
- エネルギー密度解析による表面モデルの検証および触媒作用の解明
- ソラレン化合物のDNA光付加反応の電子的メカニズムに関する理論的研究
- Heyd-Scuseria-Ernzerhof 遮蔽クーロンハイブリッド汎関数を用いた周期境界条件(PBC)計算 : アナターゼ型およびルチル型TiO_2の電子構造
- エネルギー密度解析の提案とその応用
- 表面触媒反応の電子的メカニズムに関する理論的研究
- 分割統治(DC)電子状態計算プログラムのGAMESSへの実装
- 分割統治(DC)電子状態計算法のGAMESSへの実装と応用
- 量子化学に基づく原子・分子のシミュレーション(計算化学)
- 化学原理の発見:縮重系励起の対称則
- 原子核と電子の波動関数を同時に決定するためのnon-Born-Oppenheimer 理論:NOMO 理論
- 大規模・高精度相対論的量子化学計算手法の開発:元素戦略の理論基盤確立を目指して
- 理論化学の新展開