健診における自動計測ソフトによる頚動脈内中膜複合体厚計測の有用性

概要

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頚動脈内中膜複合体厚(IMT)自動計測ソフト搭載超音波診断装置を用いて,人間ドック受診者のIMTを計測した。対象は平成14年9月に当施設人間ドックを受診した427名で,右総頸動脈の遠位壁の最大IMT,最大IMTとその前後1cmの3点の平均IMT,および右総頚動脈2cm区間の平均IMT(ave-IMT)を計測した。計測したIMTはすべて年齢と相関したが,そのうちave-IMTが最も高い相関性を示した。次に,ave-IMTと同時に測定した検査項目との相関性を検討したが,相関係数の高い順に男性ではBMI,HbA1c,収縮期血圧,空腹時血糖,拡張期血圧,LDL-コレステロール,女性ではLDLコレステロール,収縮期血圧,拡張期血圧,総コレステロール,中性脂肪,HbA1c,HDL-コレステロール,体脂-肪率,BMI,高感度CRPとの間に相関性を認めた。IMT自動計測ソフトを用いて計測したave-IMTは,年齢や動脈硬化に関連する生活習慣病との間に相関を認め,受診者の生活習慣改善への動機づけや動脈硬化の進展の経年的な評価に利用でき,人間ドックにおける計測の有用性が示唆された。