足の慢性創傷治癒後の予防的変形矯正手術のすすめ
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概要
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神経障害で足変形を伴う症例では,創傷再発を繰り返すが,難治性創傷治癒後の予防的外科治療は敬遠されがちで,最終的に救肢されない症例もある.難治性創傷治癒後に予防のための手術を行い,創の再発を抑制し,自足歩行,ADLの改善ができた症例を報告する.症例1は,41歳,男性.糖尿病で,右第2趾切断後の繰り返す足底胼胝形成に対し,アキレス腱延長術,足趾関節形成術を行い,術後胼胝形成はみられない.症例2は33歳,女性.幼少時の左膝窩部先天性血管腫摘除後,末梢血流障害,神経障害を合併し,左下肢短縮,足関節の尖足内反,第1・2趾のハンマー・トウ変形を生じ,左足外側の難治性潰瘍を繰り返していた.足関節および,足趾関節形成術を行い,左足荷重下の歩行も可能となった.血管外科医や循環器医が中心の創傷ケアチームでも,整形外科医や形成外科医との連携を通じて,予防的外科治療にも積極的に関わることで,さらなる救肢率の向上が得られると考える.
著者
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東田 隆治
横浜総合病院ハートセンター心臓血管外科
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藤本 雅史
横浜総合病院 創傷ケアセンター 形成外科
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菊池 恭太
横浜総合病院 創傷ケアセンター 整形外科
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李家 中豪
南カリフォルニアメソジスト病院 創傷ケアセンター 足病外科
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