重症下肢虚血に対するPirogoff切断変法の経験
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概要
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糖尿病による慢性腎不全で維持透析中,重症下肢虚血(critical limb ischemia; CLI)の74歳男性に血管内治療(endovascular therapy; EVT)が行われたが両足指が壊死に陥った.最終的に右足にはLisfranc関節離断術,壊死がより広範な左足にはPirogoff切断変法を行った.両足ともに追加の切断を行うことなく創は治癒し独歩可能となった.Pirogoff切断変法はあまり知られていない術式であるが,下肢長の短縮が少なく機能的予後は良好であった.CLIに対しては未だに安易に大切断が行われているように思われるが生命予後,日常生活動作(activities of daily living; ADL),生活の質(quality of life; QOL)を考えると前足部が壊死に陥った症例に対するPirogoff切断変法は積極的に用いられてよいと考えられた.