黒毛和種肥育牛に対するウルソデオキシコール酸の長期間低用量投与が血中成分と枝肉成績に及ぼす影響
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概要
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黒毛和種肥育牛にウルソデオキシコール酸(250mg/頭/日)を10カ月齢で導入後から出荷前々日(31カ月齢)まで投与して肥育期間中の血液性状および枝肉成績を調査した.投与群では非投与の対照群に比べ,血清ビタミンA濃度は13カ月齢で有意に低値を示し,19カ月齢で有意に高値を示した.血清GGT活性値は19および28カ月齢で有意に低値を示した.血清T-Cho濃度は16カ月齢で有意に高値を示した.血清TG濃度は25カ月齢で有意に高値を示した.血清NEFA濃度は25カ月齢で有意に低値を示した.枝肉成績は,両群間に有意な差は認められなかったが,雌の枝肉重量が重い傾向があった(p=0.09).肝臓廃棄率と鋸屑肝の発生数は低かった.両群の肥育期間中において血清GGT活性値は19カ月齢前後および25カ月齢以降で高値を示した.肝臓廃棄になった牛は25カ月齢以降の血清GGT活性値が高値であった.以上の結果から,ウルソデオキシコール酸の長期間低用量投与は肥育期間中の肝機能低下および肝臓廃棄の予防に効果的であると考えられた.