冠動脈疾患を合併した弓部大動脈瘤に対する弓部全置換術と冠動脈バイパス術の同時手術の成績と問題点
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概要
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弓部大動脈瘤に虚血性心疾患が合併した場合,弓部全置換(TAR)と冠動脈バイパス術(CABG)の同時手術が考慮されるが,グラフトの選択,手術侵襲の増大を回避するための対策などが問題として挙げられる.当科におけるTARとCABGの同時手術の手術成績と問題点につき検討した.対象は2002年1月から2012年5月までに待機的に手術を行った弓部大動脈瘤79例で,TAR単独群48例と同時手術群31例で手術成績を比較した.同時手術における平均バイパス数は1.6本で,使用グラフトは左内胸動脈9本,大伏在静脈34本であった.体外循環時間,心停止時間は同時手術群で有意に長かったが,術後のCKMB値には差を認めなかった.術後合併症として脳梗塞の発生率が同時手術群で有意に高かったが,両群ともに在院死亡を認めなかった.遠隔期生存率,心大血管合併症回避率には両群で差を認めなかった.TARとCABGの同時手術の成績は良好であり,周術期の心筋虚血回避に有用であるが,術後脳梗塞に対する注意が必要である.
著者
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岡村 吉隆
Department of Cardiovascular Surgery Kanto Teishin Hospital
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打田 俊司
Department of Thoracic and Cardiovascular Surgery, Wakayama Medical University
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西村 好晴
Department of Thoracic and Cardiovascular Surgery, Wakayama Medical University
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本田 賢太朗
Department of Thoracic and Cardiovascular Surgery, Wakayama Medical University
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湯崎 充
Department of Thoracic and Cardiovascular Surgery, Wakayama Medical University
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國本 秀樹
Department of Thoracic and Cardiovascular Surgery, Wakayama Medical University
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舩橋 亮輔
Department of Thoracic and Cardiovascular Surgery, Wakayama Medical University
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