高齢者(80歳以上)に対する冠動脈バイパス術における早期抜管と早期離床の試み
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概要
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ハイリスク症例である高齢者に対して心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)を施行し,術後早期抜管(手術室抜管),早期離床の試みを行った.2006年1月から2010年12月までに当施設で行われた単独OPCAB 107例のうち,80歳以上の高齢者(28例,82.5±0.4歳)と80歳未満の非高齢者(79例,69.3±0.8歳)を比較した.術前因子では中等度以上の僧帽弁閉鎖不全症(MR)(46.4% vs 21.5%),腎機能低下例(32.1% vs 11.4%)と低左心機能(37.5% vs 14.8%)の合併が高齢者に多かった(P<0.05).術中因子では有意差はなく,術後因子では早期抜管率(53.6% vs 79.5%, P<0.05),ICU滞在日数(7.4±1.7 vs 2.8±0.3日, P<0.001),院内死亡(21.4% vs 0%, P<0.001)いずれも高齢者群の成績が不良であった.高齢者に限定した場合,早期抜管できた例ではICU滞在日数,在院日数の短縮を得られていた.さらなる術中麻酔管理,併存症のコントロールが検討課題であると考えられた.
著者
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河野 智
Division of Cardiovascular Surgery, Nagahama City Hospital
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洞井 和彦
Division of Cardiovascular Surgery, Nagahama City Hospital
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飯井 克明
Division of Cardiovascular Surgery, Nagahama City Hospital
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岡田 泰司
Division of Cardiovascular Surgery, Nagahama City Hospital