西南日本,福井県南条山地におけるペルム系東俣コンプレックスの地質
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概要
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福井県の南条山地北縁部に分布する超丹波帯東俣コンプレックスについて,岩相・層序・地質構造・地質時代について記載した.東俣コンプレックスは,千枚岩質泥岩と砂岩などの陸源砕屑岩を主体とし少量の珪質泥岩・珪長質凝灰岩・チャートを伴う.下限は低角断層により下位の美濃帯ジュラ系と接し,上限は白亜系足羽層群に不整合で覆われる.全層厚は約5,200 m に達する.東俣コンプレックスは千枚岩質泥岩・砂岩泥岩互層・砂岩が累重する層序で構成され,これが複数繰り返し露出する特徴をもつ.主要な大構造は,東西走向・北傾斜の同斜構造である.産出報告された放散虫化石に基づくと東俣コンプレックスの地質時代は,中期ペルム紀の末期から後期ペルム紀の前半と判断される.