十和田火山,御門石溶岩ドームの形成時期に関する考察
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概要
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十和田火山後カルデラ期噴出物の岩石学的特徴を用いて,御門石溶岩ドームの形成時期の推定を試みた.御門石溶岩ドームは全岩SiO2量が66.4 wt.%のデイサイトであり,斑晶鉱物として斜長石,単斜輝石,斜方輝石及び鉄チタン鉱物を含む.岩石学的特徴からみると,御門石溶岩ドームは現時点で知られている後カルデラ期のどのテフラとも対比されない.このことは,御門石溶岩ドームを形成した噴火が顕著な火砕噴火を伴わなかったことを示す.後カルデラ期におけるマグマ組成の時間変化傾向から考えると,御門石溶岩ドームの形成は11.7-2.7 cal kyr BPの間のいずれかの時期に起こったと推定される.