北西太平洋地域古第三紀貝類化石群の生物地理学:-中部日本区の形成と四国海盆の拡大-
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概要
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日本を含む北西太平洋地域では,古第三紀貝類の海洋生物地理区の一つ中部日本区が,漸新世に北日本―西オホーツク区と台湾―南日本区の間に誕生した.同区は静岡,紀伊半島及び四国の太平洋岸に面した四万十帯の地域を含み,北日本―西オホーツク区の浅貝―幌内動物群の貝類とともに,多数の固有種(Lima sameshimai, Adulomya chitanii,Conchocele nakazawai, Pitar hataii, P. kotoi, P. murotensis,及びEmarginula tokuyamai)を産する.いっぽう,九州南東部(宮崎県)の四万十帯,日南層群(漸新統―下部中新統最下部)からは,九州北部の芦屋動物群(漸新世)の特徴種を産することから,同地域は台湾―南日本区に含まれる.中部日本区と台湾―南日本区との境界付近には,九州―パラオ海嶺があって,古生物地理区の境界形成に九州―パラオ海嶺が何らかの関与をしていたと考えられる.四国海盆のリフティングと拡大は,中部日本区の形成と密接な関係がある.
著者
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HONDA YUTAKA
Department of Earth Sciences, Faculty of Education, Mie University
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Honda Yutaka
Department of Applied Chemistry, Faculty of Engineering, Keio University
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