低線量放射線の生体への影響と食の重要性:リスクコミュニケーションと科学者の役割
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概要
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2011年3月11日の地震/津波に端を発した福島第一原発事故は、福島県を中心に多大の放射能汚染をもたらした。その低線量放射線の生体への影響をめぐって、科学者間の意見が分かれ混乱が生じた。筆者は、学振チームの一員として、地域の放射線計測と説明会に参加し、低線量放射線の生体への影響は、1)、放射線が直接遺伝子を傷つけるのでなく、大部分は活性酸素によること、2)、遺伝子障害によって変異細胞が生じても臨床がんにいたるには、20年から30年の年月がかかること、3)、免疫機能はがん化を抑制する最後の砦であるのでストレスによる免疫力低下はがんリスクを上昇させること、4)、今後の生き方、食生活で、低線量放射線の影響は克服可能であると、講演で強調した。この過程で、科学者がリスク評価をきちっとし、リスクコミュニケーションの技術取得の必要性を痛感した。併せて、異分野連携による、この被害の克服の必要性を痛感した。