フッ素化合物表面処理酸化亜鉛を含む新規油系分散体の分散性と耐水性およびサンスクリーンへの応用
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概要
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一般的に油剤との親和性が低いといわれるフッ素化合物表面処理粉体で,トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランの場合,優れた分散特性を示す系が得られたので,従来のメチルハイドロジェンポリシロキサン表面処理粉体と比較して報告する。微粒子酸化亜鉛にトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン (TDFOS-ZnO) およびメチルハイドロジェンポリシロキサン (MHPS-ZnO) を表面処理し,分散剤にポリグリセリン変性シリコーン (PGSI) およびポリエーテル変性シリコーン (PESI) を用いてポリジメチルシロキサン (PDMS) に分散させた。この結果,TDFOS-ZnO/PGSI系は良好な分散安定性を示し,塗布時の塗膜も高い耐水性を示した。特にPGSI 5wt%添加系では調製直後に一度増粘するものの,一定期間経過後に粘度が低下する特異的な挙動が確認された。次にこれらの分散体をサンスクリーン剤に適応したとき,分散体自体と同様に,TDFOS-ZnO/PGSI 5wt%系が最も分散安定性に優れ低粘度であり,塗布時の耐水性も高かった。また,肌へ塗布した際の感触も良好であり,水への浸漬による白化現象もほとんど起こらなかった。
- 日本化粧品技術者会の論文