超音波を用いた舌癌における腫瘍進展範囲の評価:―生体および切除標本における超音波像と病理標本との比較―
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概要
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舌癌の正確な切除のためには術前に腫瘍の進展範囲についての情報が必要である。進展範囲は生体と切除標本超音波像を用いて計測された。二つの超音波像における腫瘍の進展範囲に関して相違は認められなかった。しかし,生体の超音波像と病理標本における腫瘍の進展範囲とは有意な差があった(p < 0.05)。しかしながら,生体超音波像の進展範囲とヘマトキシリンエオジン染色病理組織標本との間には大きさに関して有意な相関関係があった(p < 0.01)。さらに,回帰分析によると生体超音波像の腫瘍の進展範囲から病理標本の腫瘍の進展範囲を正確に予測することができた(R2:0.52~0.88)。このように超音波検査で腫瘍の進展範囲を正確に把握することは舌癌の患者の外科切除を計画するための検査として有用な方法であることが示された。
著者
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八木原 一博
埼玉県立がんセンター 放射線科
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柳下 寿郎
埼玉県立がんセンター病理科
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石井 純一
埼玉県立がんセンター口腔外科
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出雲 俊之
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科口腔病態診断科学分野
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桂野 美貴
埼玉県立がんセンター口腔外科
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住本 和歌子
埼玉県立がんセンター口腔外科
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宮嶋 大輔
埼玉県立がんセンター口腔外科
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