放射性廃棄物処分事業に対する意識形成に関する研究:-科学情報と受け手の知識基盤の分析を中心に-
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概要
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高レベル放射性廃棄物の扱いにおける「地層処分の選択」は, 「自然科学を基盤とした手法の選択《Scientific based action plan》」である. 処分事業の社会的受容を考えるとき, 「科学的な検討結果を公衆は正確に理解するか」という課題があり, そこには, 科学言説を理解する能力 (リテラシー) に加え, 「科学知識の文脈依存性の問題」がある. これは, 公衆に, 教育, 専門, 地域などによる複式構造が存在する以上, 生産される知識も異なることを意味するものである. 本研究では, 建設分野の教養を持つ階層を対象に, 与えられる科学言説に応じた意識形成の特徴を調査し, 社会的受容において大学での高等教育の持つ役割について考察を加えた. そして, このような「高い知識レベルの集団」においても, 危険/安全の意識は送り手にからの情報に強く影響されること, 一方で処分事業の必要性や可否に対しては冷静な判断がなされることを示した.
- 一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会の論文