30年の経過中に膝部の表皮嚢腫から発生した有棘細胞癌の1例
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概要
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73歳,男性。初診の約30年前から右膝部に腫瘤があり,時々滲出液が出ていた。滲出液の臭いを主訴に近医皮膚科を受診し,当科を紹介された。初診時,右膝部に直径約3cmの皮下腫瘤を触知した。表層の皮膚には潰瘍を伴った小さな瘻孔を認め,圧迫により排膿がみられた。全身麻酔下に皮膚を含めて腫瘤を切除し,分層植皮にて再建した。病理組織学的所見では,異型上皮で被覆された嚢胞性病変がみられた。嚢胞壁の一部には周囲への浸潤を伴う異型角化細胞による胞巣を認め,異型に乏しい部位には顆粒層が残存しており,表皮嚢腫から発生した有棘細胞癌と診断した。術後約1年間の経過観察中に,再発や転移は認めていない。
著者
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桑原 広昌
時計台記念病院形成外科・創傷治療センター
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内山 英祐
時計台記念病院形成外科・創傷治療センター
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石山 誠一郎
時計台記念病院形成外科・創傷治療センター
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本田 耕一
時計台記念病院形成外科・創傷治療センター
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本田 耕一
時計台記念病院形成外科
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