初回術後,20年経過し根治手術不能となった破壊型基底細胞癌の1例
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概要
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78歳,男性。右頬の潰瘍を主訴に,2011年3月に東邦大学大森病院を受診。20年前に同部位の基底細胞癌で切除術を受け,以後通院を自己中断していた。初診時の顔面MRIにて上顎洞内に,右眼窩,鼻腔内へ浸潤する腫瘍塊を認めた。手術目的で他科へコンサルトするも,手術適応なしと判断されたため,放射線治療を施行したが,腫瘍の縮小は得られなかった。その後,潰瘍の増大と,壊死による悪臭のため社会生活が困難となり,同年11月に東京労災病院を受診した。根治手術は困難と考えたが,全身麻酔下に悪臭を伴う壊死組織の除去と,可能な限りの腫瘍切除を行った。一般的に予後良好とされる基底細胞癌であるが,長期間の放置や,再発により自験例のような破壊型の基底細胞癌に進展し,治療困難となる例も存在し,患者教育も含め様々な課題を含んでいると考え,報告する。
著者
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