右頚部内頚動脈狭窄症に対するCAS後に一過性低灌流を呈した1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】右頚部内頚動脈狭窄症に対して頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting;CAS)を施行し,術後に右大脳半球の低灌流を来した症例を報告する.【症例】72歳男性.腎不全の精査中に発見された無症候性右頚部内頚動脈狭窄症に対して,遠位塞栓防止にフィルターワイヤーを使用し,open cell stentを留置した.治療13時間後より,左半側無視,左同名半盲,左片麻痺が出現した.脳血管撮影では右中大脳動脈末梢部を中心にびまん性脳血管攣縮を呈していた.また,CT灌流画像では右大脳半球の広範な血流低下を認めた.これらの所見は可逆的であり,患者は神経学的障害を残すことなく退院した.【結語】これらの所見より,CAS後に可逆性の脳血管攣縮が併発し,一過性の虚血性合併症を引き起こした可能性が示唆された.
著者
-
高沢 弘樹
厚生連高岡病院 脳神経外科
-
桑山 直也
富山大学 脳神経外科
-
小出 謙一郎
厚生連高岡病院 脳神経外科
-
原田 淳
厚生連高岡病院 脳神経外科
-
新井 政幸
厚生連高岡病院 脳神経外科
-
原田 淳
厚生連高岡病院 脳神経外科
-
新井 政幸
厚生連高岡病院 脳神経外科
-
高 正圭
厚生連高岡病院 脳神経外科
関連論文
- 6. 脳症状を初発とする肺癌切除例(第54回 日本肺癌学会北陸支部会,北陸支部,支部活動)
- 脳卒中治療ガイドライン2004発表前後における急性期脳梗塞診療実態の比較 : 富山県における多施設共同調査
- 右頚部内頚動脈狭窄症に対するCAS後に一過性低灌流を呈した1例
- 胸郭出口症候群の発症・増悪因子 : 軽症頭頸部外傷の関与
- On the wall typeの硬膜動静脈瘻の1例