プラチナコイルが脳動脈瘤壁に及ぼす力は,素線径に依存しコイル径には影響されない:―実験的検討―
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概要
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【目的】脳動脈瘤コイル塞栓術の1stコイルの選択は,安定したコイルフレームを作製し、良好な長期成績を得るために,きわめて重要である.研究の目的は,1stコイルの合理的選択の根拠を得るために,実験的に動脈瘤壁に加わる機械的力を評価することにある.【方法】脳動脈瘤の大きさよりも大きいコイルを瘤内に誘導した時を想定して,瘤壁に及ぼす力をモデル解析した.2次コイル径が3 mm,4 mm,6 mm,16 mmと異なるプラチナコイルを3 mm径に設定し,これを垂直方向に圧縮した時の反力を測定した.次に80 mmHgの血圧に相当する水圧(約1100 mmH2O)を負荷したシリコンモデル瘤に各種コイルを挿入し,外側から1.0 mm押込んだ時の反力を測定した.【結果】コイルの2次径が異なっても反力はほぼ同じであった.コイル素線径が増加すると反力が著しく増加した.【結論】挿入されたコイルが瘤壁に及ぼす力は,素線径に依存し,コイル2次径には影響されなかった.
著者
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長澤 史朗
医療法人社団蘇生会 蘇生会総合病院 脳神経外科
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津田 永明
医療法人社団蘇生会 蘇生会総合病院 脳神経外科
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大橋 経昭
医療法人社団蘇生会 蘇生会総合病院 脳神経外科
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野村 耕章
医療法人社団蘇生会 蘇生会総合病院 脳神経外科
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京嶌 和光
医療法人社団蘇生会 蘇生会総合病院 脳神経外科