人間ドック3ヵ月後の受診勧奨と今後の課題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
目的:人間ドックで要精密検査,要治療と判定した項目について3ヵ月後の時点でどの程度医療機関を受診しているのか,電話による受診勧奨によっての態度の差異を検査項目別に検証し,今後の課題を明確化することである.方法:2010年4月から9月の人間ドック受診者3,806名で要精密検査,要治療と判定した検査項目は延べ1,309件を対象とした.人間ドック終了約3ヵ月後に最大3回電話をかけ,確認し得た1,127件を対象とした.受診済みと未受診に分けた.未受診者は,電話による受診勧奨により態度保留,受診拒否,新規受診に分けた.結果:受診済みは63.5%で,年齢が高くなるほど有意な増加傾向を認めた.呼吸機能,血圧,脂質,聴力は有意に受診済みの比率が低く,腎機能,膵臓超音波,乳腺は有意に受診済みの比率が高かった.受診勧奨で受診拒否では聴力(28.6%),新規受診は腹部CT(30.8%)が最も多かった.受診拒否がなかったのはがん関連検査項目であった.13.9%が電話確認できなかったことから連絡時間帯などの詳細な情報取得が必要である.受診勧奨で「新規受診」が8.2%のみで,態度保留と受診拒否が28.3%であった.このことから,人間ドック当日の時点で長期放置者には受診勧奨を行い,さらに紹介状作成するなどの便宜の強化も必要と考えられた.結論:要精密検査,要治療を要する検査項目別の受診への取り組み態度の差異,受診手法の問題点が明らかにされた.
著者
-
和田 高士
Department of Preventive Medicine, The Jikei University School of Medicne
-
伊藤 智恵子
Department Shimbashi Medical Checkup Office, The Jikei University Hospital
-
三村 昭美
Department Shimbashi Medical Checkup Office, The Jikei University Hospital
-
堀川 博子
Department Shimbashi Medical Checkup Office, The Jikei University Hospital
-
寺島 早希子
Department Shimbashi Medical Checkup Office, The Jikei University Hospital
-
佐藤 さとみ
Department Shimbashi Medical Checkup Office, The Jikei University Hospital
-
木下 博子
Department Shimbashi Medical Checkup Office, The Jikei University Hospital
関連論文
- LIFESTYLE-RELATED RISK FACTORS FOR ASYMPTOMATIC CEREBRAL INFARCTION : A STUDY OF MIDDLE AGED SUBJECTS RECEIVING COMPREHENSIVE BRAIN CHECKUP
- 人間ドック3ヵ月後の受診勧奨と今後の課題