特定健診保健指導受診者と被投薬者など非受診者の次年度健診成績
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概要
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目的:肥満と追加リスク(高血圧,高血糖,脂質異常,喫煙)がある(クライテリア陽性の)無投薬の健診受診者は特定保健指導を受ける(無投薬要支援群)が,高血圧,糖尿病,脂質異常症のいずれかの薬を投与されている被投薬者は主治医が指導するので特定健診保健指導を受けられない.特定保健指導や主治医の指導効果をみるために無投薬者と被投薬者の次年度健診成績を比較検討した.方法:某健康保険組合所属の40~64歳の男性で,人間ドックを2年続けて受診した3,002名を対象とした.被投薬者は投薬を受けていないと仮定して階層化を行った.したがってクライテリア陽性の被投薬者は要支援対象者(被投薬要支援群)とみなす.肥満の定義は腹囲あるいはBody Mass Index(BMI)が基準値以上である状態である.結果:被投薬要支援群(337名)の次年度肥満離脱率(8.6%),追加リスクの陰性化率(7.1%),および要支援対象からの離脱率(14.8%)は,無投薬要支援群のうちの指導受診群(511名)より有意に低く(各々23.3%,15.3%,34.1%),自己都合による指導非受診群(165名)とは有意差がみられなかった(各々8.5%,8.5%,16.4%).被投薬情報提供群のうち次年度新規に要支援対象者となった率は19.3%で,無投薬情報提供群(9.6%)より有意に高かった.肥満者は新規要支援対象者となる率がきわめて高く,被投薬情報提供群で62.2%,無投薬情報提供群で42.2%であった.結論:特定保健指導は肥満や追加リスクの解消に有効である.被投薬要支援群は特定保健指導対象者に含めることが望ましいと考えられる.追加リスクのない肥満者は投薬の有無を問わず別に特別な指導を行うことが望ましい.
著者
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中村 久美子
Toshiba Multiphasic Health Screening Center
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星野 和彦
Toshiba Multiphasic Health Screening Center
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久米 進一郎
Toshiba Multiphasic Health Screening Center
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吉田 信彦
Toshiba Multiphasic Health Screening Center
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河合 宏美
Toshiba Multiphasic Health Screening Center