高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン (第2版) の特色と活用法
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概要
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今回の改訂版の特徴は、(1)新たに蓄積されたエビデンスを加え、エビデンスレベルとともに推奨度を記載するなど、日常診療でより使いやすい工夫がなされている。(2)臨床的エビデンスの有無を重視した。(3)高尿酸血症は性・年齢を問わずに、血清尿酸値が7.0mg/dlを超えるものと定義される。(4)血清尿酸値が種々の生活習慣病の有用な指標になるという知見を勘案し、7.0mg/dl以下であっても血清尿酸値の上昇とともに生活習慣病のリスクが高くなるため、特に女性には潜在疾患の検査と生活指導が勧められることが新たに記載された。(5)高尿酸血症は尿酸クリアランスと尿中尿酸排泄量から尿酸産生過剰型、尿酸排泄低下型、混合型に大別される。(6)尿酸クリアランス算出の体表面積補正に用いられる体表面積は、1.48m2から1.73m2に変更されている。(7)高尿酸血症の治療にあたっては、尿酸排泄低下型に尿酸排泄促進薬、尿酸産生過剰型に尿酸生成抑制薬を選択することを基本原則とする。(8)高尿酸血症の治療はほぼ変更点はないが、生活習慣の改善が最も大切である。(9)生活指導は、食事療法、飲酒制限、運動の推奨が中心となり、肥満の解消は血清尿酸値を低下させる効果が期待される。(10)食事療法としては適正なエネルギー摂取、プリン体・果糖の過剰摂取制限、十分な飲水が勧められる。このガイドラインが、高尿酸血症・痛風の臨床において有効に活用されることを期待する。