多枝冠攣縮により突然死をきたした2症例
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概要
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症例1: 52歳, 男性. 2007年9月, 意識消失し救急車にて当院搬入. 来院時は無脈性電気活動(pulseless electrical activity; PEA) でただちに蘇生治療が行われた. 心拍再開後の心電図でI, II, aVL, V5, 6誘導のST上昇とV1~4誘導のST低下を認めた. 冠動脈造影では右冠動脈の攣縮と左前下行枝, 左回旋枝の血栓閉塞を認めた. 右冠動脈の攣縮は硝酸イソソルビド(isosorbide dinitrate; ISDN) の冠動脈内投与にて解除され, 左回旋枝は血栓吸引により末梢の造影が得られたが, 左前下行枝の血栓は治療抵抗性であった. 大動脈内バルーンパンピング(percutaneous old balloon angioplasty; IABP) などを用いて治療したが同日死亡した.<BR>症例2: 70歳, 男性. 2007年11月, 胸痛を主訴に当院受診. 心電図上II, III, aVF, V6誘導のST上昇とaVL, V1~4誘導のST低下を認めたが冠動脈造影では有意狭窄無し. 冠攣縮による下壁の急性心筋梗塞と診断しニフェジピン徐放錠内服, ニコランジル持続静注を開始した. その後, 順調に回復に向かっていたが, 第6病日朝, 再び胸痛発作が出現. 再度冠動脈造影を施行したところ右冠動脈の攣縮と左前下行枝, 左回旋枝の閉塞を認めた. カテーテル検査中に心停止したため経皮的心肺補助法(percutaneous cardiopulmonary support; PCPS)などを用いて治療をしたが翌日死亡した. 心臓突然死の中には, これらの症例のごとく多枝冠攣縮に起因するものが存在すると考えられる.
- Japan Heart Foundationの論文
著者
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茂庭 仁人
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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望月 敦史
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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進士 靖幸
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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永原 大五
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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高橋 亨
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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林 学
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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佐藤 直利
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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鹿野 泰邦
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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湯藤 潤
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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岩井 慎介
JA北海道厚生連帯広厚生病院第二内科
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