右鎖骨下動脈起始異常症例に対する冠動脈カテーテル検査の経験:アプローチと対処法の検討
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概要
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右橈骨動脈アプローチによる冠動脈造影に難渋した右鎖骨下動脈起始異常の症例と検査後に初めて本症と診断した症例を経験した. 症例1は安定狭心症の74歳, 女性. 以前に大腿動脈アプローチでのカテーテル手技を問題なく施行されていた. 右橈骨動脈アプローチでのカテーテル検査の際に, カテーテル操作に非常に難渋し, 手技時間も長時間に及んだ. 後日施行した胸部MRAにて, 右鎖骨下動脈起始異常(aberrant right subclavian artery; ARSCA) と診断した. 後日施行した左橈骨動脈アプローチでのカテーテル検査は問題なく施行可能であった. 症例2は大動脈弁狭窄症の68歳, 男性. 右橈骨動脈アプローチによるカテーテル検査はトラブルなく終了していた. 後日術前検査として施行された胸部造影CT検査でARSCAと診断された. ARSCAの頻度は0.5%前後と比較的稀であるが, 右橈骨動脈アプローチによるカテーテル検査などにおいては, 手技困難のリスクを有する. 本症の存在とその対策を認識しておくことは重要であると考えられた.
著者
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