冠動脈バイパス·インターベンション術後に生じた巨大左室仮性心室瘤に対する手術治験例
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概要
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症例は84歳, 男性. 狭心症に対し9年前に他院にて冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting; CABG)を施行された. 半年ほど前より安静時の胸痛が出現し, 冠動脈造影を施行され, 左前下行枝(left anterior descending artery; LAD)#6慢性完全閉塞(CTO), 回旋枝#13 90%狭窄, 右冠動脈(RCA) #1 90%狭窄, #2CTO, バイパスグラフトはLADへの静脈グラフト(SVG-LAD)は閉塞, 右冠動脈への静脈グラフトは開存していた. これに対し冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI)が施行され, #5, 6, 7, 13, 14にCypher stentが留置された. PCI翌日の造影でLAD, 対角枝(Dx)が完全閉塞であることが確認された. その後心不全および腎不全の入院加療を1カ月施行され退院となった. 退院より4カ月後再び胸痛を自覚するようになり, 当院を受診し, 心エコー検査にて左室前側壁から心尖部に49×74mmの巨大仮性心室瘤を認めた. 体外循環を使用し心停止下に仮性瘤切開, 心室自由壁穿孔部パッチ閉鎖術を施行した. 術後腎不全に対し一時的に血液透析を要したが, その後離脱し回復した. CABG後の慢性期のPCI後に心筋梗塞を生じ左室自由壁破裂から巨大仮性動脈瘤が形成された症例に, 右開胸, 左室脱血を併用し, 左室破裂部パッチ閉鎖を行った1例を報告する.
- Japan Heart Foundationの論文
著者
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松村 武史
医療法人社団誠馨会新東京病院心臓血管外科
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山口 裕己
医療法人社団誠馨会新東京病院心臓血管外科
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須田 優司
医療法人社団誠馨会新東京病院心臓血管外科
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浅井 友浩
医療法人社団誠馨会新東京病院心臓血管外科
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村上 美樹子
医療法人社団誠馨会新東京病院心臓血管外科
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光山 晋一
医療法人社団誠馨会新東京病院心臓血管外科