急性心不全の病態と評価:心臓とその取り巻く環境
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概要
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心不全の治療には主に急性期に行われる「目にみえる治療」と慢性期に行われる「目にみえない治療」があり, 両者は一部重複している. 「目にみえる治療」では, 低心拍出を早期に把握し適切な対策を講じるためにスワン·ガンツ(S·G)カテーテルが時に必要であり, 特に重症例では有効である. 低心拍出の改善には強心薬が広く用いられるが, 動脈系血管拡張薬による後負荷軽減療法が有効な場合もある. また, 心不全の急性増悪時に発症する発作性心房細動は再入院のきっかけとなり, 予後増悪因子であり慢性期治療において見逃してはならないポイントである.「目にみえない治療」の一つに交感神経系やレニン·アンジオテンシン·アルドステロン(RAA)系といった神経体液性因子の抑制がある. これらの因子は急性期および慢性期に活性化して心筋を傷害し病態を悪化させる. このためヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP:カルペリチド), RAA系抑制薬, β遮断薬などを用いた神経体液性因子の抑制が, 慢性期だけでなく急性期においても有効であろう.
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