僧帽弁置換術20年後に高度の溶血性貧血をきたした1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は75歳, 男性. 1970年僧帽弁狭窄症にて僧帽弁交連切開術施行. 1982年人工弁置換術(Björk-Shiley弁)を施行し, 以後外来通院中. 2003年9月より黄疸が出現し, 10月下旬外来受診. RBC 193万/mm3, Hgb 6.1g/dL, Ht 18.8%, LDH 15,058 U/L, I-Bil 8.38mg/dLにて入院. 溶血性貧血を呈していたが, 諸検査で肝胆道系, 血液疾患は否定した. 心エコー図検査で人工弁周囲より逆流を認め, 人工弁機能不全が貧血の原因と考えた. 11月下旬再度弁置換術を施行. 弁周囲は脆弱で, 後交連近傍の縫合線の3分の1が弁輪部組織と離開しており, この部分の異常血流が赤血球破砕をきたし, 溶血性貧血が生じたと診断した. 人工弁の可動性異常はなかった. 術後貧血は改善を認めた. 人工弁置換による溶血性貧血を認めた症例を経験したので報告する.
- Japan Heart Foundationの論文
著者
-
小松 孝昭
Department of Cardiology Dokkyo Medical University
-
高柳 寛
Department of Cardiology Dokkyo Medical University
-
酒井 良彦
Department of Cardiology Dokkyo Medical University
-
谷口 勲
Department of Cardiology Dokkyo Medical University
-
小林 さゆき
Department of Cardiology Dokkyo Medical University